伊藤 順一郎2022-06-06
「日本のMattoの町を考える会」からのイベントのお知らせ (終了)
■日時 2022年7月10日 (日) 13:00 – 16:00
■司会・コメンテーター
伊藤順一郎(メンタルヘルス診療所しっぽふぁーれ)
■プログラム
【第一部 13:00~14:15】
イタリア上院が敢行した司法精神病院突撃監査のド迫力
……ドキュメンタリー映像に見る司法精神病院廃止の顛末
大熊一夫(ジャーナリスト、日本のMattoの町を考える会代表)
【第二部 14:30~15:30】
ヨーロッパで精神病院に厳しい眼差し
……欧州拷問等防止委員会の精神病院事前通告なし立ち入り検査
戸塚悦朗(弁護士、紀尾井町法律事務所)
【第三部 15:30~16:00】
総合討論
■参加費 1500円
※お申し込みは下記のURLからお願いいたします。
https://matto20220710.peatix.com/
前半は、イタリア上院が敢行した司法精神病院突撃監査のドキュメント映像を放映し、当会代表の大熊一夫が解説いたします。
後半は、欧州拷問等防止委員会の精神病院事前通告なし立ち入り検査の実態を、弁護士の戸塚悦朗さんに解説していただきます。
ご存じのように、医療保護入院についての厚労省の態度変容が、大手メディアでも取り上げられています。
厚労省は3月の検討会の資料で、医療保護入院制度について「将来的な廃止も視野に、縮小に向け検討」と記載したにもかかわらず、日精協の委員の反対意見などを受け、4月には「将来的な継続を前提とせず、縮減に向け検討」と修正しました。そして5月30日、この日開いた検討会に示した報告書案では「将来的な見直しについて検討」と、さらに弱めた表現となってしまいました(共同通信)。
いつまでもいつまでも精神病院に依存する日本の精神医療の体質。
隔離や拘束、あるいは非人間的な対応で、患者の心を傷つける処遇は、闇の中に放置されています。
多職種による訪問診療をしておりますと、「強制入院」という経験をせずとも、いかに地域社会の中で、多くの人々を支えていくことができるかを実感しております。
精神医療が地域の中で人を支えるということに精神医療の財源を大きくシフトすることができれば、多くの人々が人としての尊厳を傷つけられることなく
地域社会の中での生活が可能なのではないでしょうか。
80-50問題や、若年層のひきこもり、また複雑性PTSDで苦しんでいる人々の存在など、メンタルヘルスのニーズが多様化している今こそ、多職種の関与する外来・アウトリーチによる精神医療の普及が一層求められていると思うのです。
日弁連が、昨年の人権擁護大会で採択した「精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議」で示された医療保護入院廃止に向けたロードマップを議論の俎上にのせる
ためにも、本イベントにご参加いただき、精神病院の不条理のリアルを国民に伝えていくありようについて、みなさまと議論できればと思います。
また、精神病院が「不条理」な世界と言われないようにするためには、何が必要なのかという観点からも、議論を求めております。
ご参加、是非にお待ちしております。
よろしくお願いいたします。
伊藤順一郎@日本のMattoの町を考える会